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柳田社会保険労務士・行政書士事務所

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導入の要件、時間外労働となる時間、メリット・デメリット、導入するうえで必要な対策などをご案内

フレックスタイム制

このページでは

次のことを記載しています。
その内容は、それぞれの所をクリックしてご覧ください。

  • 清算期間が1か月以内の場合
  • 清算期間が1か月を超え3か月以内の場合
  • 清算期間が1か月以内の場合
  • 清算期間が1か月を超え3か月以内の場合

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制は、3か月以内の一定の期間(「清算期間」という)の総労働時間が、その清算期間を平均して1週間の労働時間が法定労働時間(原則40時間、※特例44時間)を超えなければ、労働者がその総労働時間の範囲内で各日の始業及び終業の時刻を自ら決定し、労働者の生活と仕事との調和を図りながら効率的に勤務することができる、という制度です。

従って、この制度では、子供の世話、病院への通院など、従業員のライフスタイルに合わせた形で働いてもらうことができるようになります。

※清算期間が1か月を超える場合(清算期間が1か月を超え3か月以内の場合)は、改正により、法定労働時間の特例は適用されない、ということになりました。

導入の要件

この制度を導入する場合は、

  1. まず、
    就業規則、その他これに準ずるものに「始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねる旨」を定めなければなりません。


    ※(注意)
    この場合、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定にゆだねる必要があり、始業時刻又は終業時刻の一方についてのみ労働者の決定にゆだねている場合や始業時刻、終業時刻は労働者の決定にゆだねるとしながら、始業から必ず8時間は労働しなければならない旨義務付けている場合等は、フレックスタイム制とはみなされないことがありますので、注意が必要です。
  2. そのうえで、
    労使協定に次の事項を定めなければなりません。

    尚、改正により、清算期間が1か月を超えるものである場合は、労使協定に有効期間の定めをすると共に、その労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出なければならなくなりました。


     
労使協定に定める事項
  • 1
    対象となる労働者の範囲

対象となる労働者の範囲は、「全従業員」、「特定の職種の従業員」、「課ごと」、「グループごと」、「各人ごと」、「育児・介護休業法で定める勤務時間の短縮等の措置として育児をしている従業員のみ」などと定めることができます。

  • 2
    清算期間
清算期間とは

フレックスタイム制において労働者が労働すべき時間を定める期間のことです。

清算期間の長さ(上限)は、改正により「3か月以内」となりました。

 

  • 3
    清算期間における起算日

起算日については、毎月1日とか、16日等のように、どの期間が清算期間なのか明確にする必要があります。

  • 4
    清算期間における総労働時間
清算期間における総労働時間とは

フレックスタイム制において労働契約上労働者が清算期間内において労働すべき時間として定められている時間のことで、いわゆる清算期間における所定労働時間のことです。
 

この時間は、清算期間を平均して1週間の労働時間が法定労働時間(原則40時間、特例44時間)以内になるように定めなければなりません。

つまり、清算期間の所定労働時間の合計は、次の式によって計算された範囲内とすることが必要です。

清算期間における総労働時間=1週間の法定労働時間(原則40時間、特例44時間)×清算期間の暦日数÷7日

尚、改正により、清算期間が1か月を超える場合には、その清算期間を1か月ごとに区分した各期間ごとにその各期間を平均して1週間あたりの労働時間が50時間を超えないようにすることが必要となりました。

さらに、この場合(清算期間が1か月を超える場合)には、法定労働時間の特例は適用されないことにもなりましたので、注意が必要です。

  • 5
    標準となる1日の労働時間
標準となる1日の労働時間とは

年次有給休暇を取得した際にこれを何時間労働したものとして賃金を計算するのか明確にしておくためのものです。
 

従って、単に時間数を定めれば足ります。(始業及び終業の時刻まで定める必要はありません。)

尚、清算期間における総労働時間をその期間における所定労働日数で除した時間を標準となる1日の労働時間として定める方法もあります。

  • コアタイムを定める場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
コアタイムとは

労働者が1日のうちで必ず働かなければならない時間帯のことです。
 

コアタイムは、必ず定めなければならないものではありませんが、これを定めるときは、その開始及び終了の時刻を明記しなければなりません。又、就業規則にもそのことを明記する必要があります。

尚、コアタイムは労使協定で自由に設定ができます。例えば、日によって設けたり、設けなかったりすることができますし、1日のコアタイムを分割して設けることもできます。

※(注意)
コアタイムの開始から終了までの時間が、標準となる1日の労働時間と同程度となるような場合は、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねたこととはならず、フレックスタイム制の趣旨に反する(平11.3.31基発168号)、とされていますので注意が必要です。

  • フレキシブルタイムに制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻
フレキシブルタイムとは

労働者が働くことを選択することができる時間帯のことです。
 

そのフレキシブルタイムに制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻を定める必要があります。又、就業規則にもそのことを明記する必要があります。

※(注意)
フレキシブルタイムに制限を設ける場合、そのフレキシブルタイムの時間帯が極端に短い(例えば、30分しかない)場合などは、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねたこととはならず、フレックスタイム制の趣旨に反する(平11.3.31基発168号)とされていますので、注意が必要です。

労働時間の過不足の取扱い

フレックスタイム制では実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として定められた時間に比べ過不足が生じた場合には、次のような取扱いになります。

  • 1
    清算期間における実際に労働した時間が、清算期間における総労働時間として定められた時間に比べて多かった場合、の取扱いは

多く働いた時間分について賃金を払わず、次の清算期間中の労働時間で調整することはできません。

従って、その期間の賃金支払日において実際に労働した時間分の賃金を支払う必要があります。

 

上記1に対して

  • 2
    清算期間における実際に労働した時間が、清算期間における総労働時間として定められた時間に比べて少なかった場合(不足した場合)、の取扱いは

次の2つの方法があります。

  1. その期間の賃金支払日に清算(控除)する方法。
  2. 賃金は総労働時間分を支払い、少なかった時間分(不足した時間分)を法定労働時間の枠内で次の清算期間の労働時間に上乗せする方法。

 

時間外労働となる時間

清算期間が1か月以内の場合

フレックスタイム制を導入した場合に時間外労働となるのは、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間です。  

清算期間が1か月を超え3か月以内の場合

清算期間が1か月を超え3か月以内の場合は、次の1と2を合計した時間が時間外労働となります。

  1. 清算期間を1か月ごとに区分した各期間(最後に1か月未満の期間を生じたときは、その期間)における実際に労働した時間のうち、各期間を平均して1週間あたり50時間を超えて労働した時間。

    つまり、清算期間を1か月ごとに区分した各月において週平均50時間を超える労働時間は、その月の時間外労働となる、ということです。
     
    清算期間を1か月ごとに区分した期間における実労働時間数-50時間×清算期間を1か月ごとに区分した期間における暦日数÷7日
  2. 清算期間における総労働時間のうち、その清算期間の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間。

    つまり、清算期間をとおして週平均40時間を超える労働時間がその清算期間の時間外労働となる、ということです。

    但し、前記1で算定した時間外労働時間は除きます。

時間外労働の計算方法

清算期間が1か月以内の場合

この場合の時間外労働の計算は、次のように行います。

清算期間における実労働時間数-1週間の法定労働時間(原則40時間、特例44時間)×清算期間の暦日数÷7日

清算期間が1か月を超え3か月以内の場合

時間外労働の計算方法は、

  1. 1か月について
  2. 清算期間について

の順番で算定を行い、その合計時間数が時間外労働の時間数となります。

清算期間において時間外労働となる時間数=1+2 

この場合の計算の流れは、次のようになります。

  1. まず、1か月ごとの終了時点でみる。

    1か月の実労働時間数が週平均50時間を超えているかどうかをみる。
    超えていれば、その超えた時間が1か月終了時点の時間外労働となります。
  2. 次に、清算期間の終了時点でみる。

    清算期間の実労働時間数がその清算期間の法定労働時間の総枠を超えているかどうかをみる。
    超えていれば、その超えた時間が清算期間終了時点の時間外労働となります。

メリット、デメリット

フレックスタイム制には、次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 人材の確保・定着の効果が期待できる

    通常の勤務形態では子育て、介護、看護、病気などの理由で会社を辞めざるを得ないような場合でも、フレックスタイム制では、各日の始業及び終業の時刻を従業員自らが決定し、勤務することができるため、勤務が継続しやすくなり、離職の防止に役立ちます。

    又、フレックスタイム制を導入して働く人の個々のニーズに応じた柔軟な働き方、働きやすい職場づくりに取組んでいる会社であるということを自社のホームページや求人票などの求人情報でアピールすることによって、その会社の認知度が高まり、人材の確保にもつながります。
     
  • ワークライフバランスの推進効果が期待できる

    フレックスタイム制では、清算期間の総労働時間の範囲内で各日の始業及び終業の時刻を従業員自らが決定し、勤務することができるため、子供の世話・送迎、病院への通院など従業員のライフスタイルに合わせた形で働いてもらうことができるようになります。

    つまり、従業員の生活と仕事との調和を図りながら、効率的に勤務してもらうことができるようになる、ということです。
     
  • 労働時間を柔軟に配分することができます

    改正により、清算期間の上限が1か月以内から3か月以内に延長されたことにより、その期間の中での繁忙期と閑散期の差を平均したり、祝日などのある月と他の月を平均することにより、その清算期間をとおして労働時間や休日を配分しやすくすることができるようになりました。
     

 

デメリット
  • フレックスタイム制は、従業員全員がそろう時間が少なくなるため、社内の情報共有がしにくくなったり、従業員間のコミュニケーションがおろそかになったりする恐れがあります。

    従って、その対策を講ずる必要があります。
     
  • フレックスタイム制は、自己管理が苦手な従業員や時間にルーズな従業員にとってはその傾向を助長する恐れがあり、業務の遂行に支障が生じる可能性もあります。

    従って、その対策を講ずる必要があります。
     
  • 改正により、清算期間が1か月を超え3か月以内の場合には、次のことを行う必要があるため、総務・管理担当者の負担は増大します。

    ・時間外労働となるかどうかの確認は、1か月ごと及び清算期間の終了時点で行う必要があること。
    ・1か月の労働時間の実績を対象労働者に通知等することが望ましいとされたこと。

    従って、その対策を講ずる必要があります。

フレックスタイム制を導入するうえで必要な対策

フレックスタイム制を導入する場合、前述しましたデメリット対策として、次のことを行う必要があります。

  • 業務の進捗状況を確認する仕組みや労働時間を客観的に把握、管理する仕組みなどの対策が必要になります

    例えば、前述した「労働時間管理簿」や「時間外・休日労働報告書」を活用すると共に必要に応じて改善のための指導を行う等。

(そのことを行う理由)

  • フレックスタイム制は、自己管理が苦手な従業員や時間にルーズな従業員にとっては、その傾向を助長する恐れがあり、業務の遂行に支障が生じる可能性もあるからです。
     
  • 改正により、清算期間が1か月を超え3か月以内の場合には、次のことを行う必要があるからです。

    ・清算期間を1か月ごとに区分した各期間ごとにその各期間を平均して1週間あたりの労働時間が50時間を超えないようにすることが必要となったこと。

    ・時間外労働になるかどうかの確認は、1か月ごとの終了時点及び清算期間の終了時点で行う必要があること。

    ・1か月の労働時間の実績を対象労働者に通知等することが望ましいとされたこと。

    ・時間労働となった時間が1月あたり80時間を超えた労働者に対しては、その超えた時間に関する情報を通知しなければならないことに留意する必要があるとされたこと。
  • 情報の共有化を行ったり、同僚や上司への報告、連絡、相談等を密にするよう、指導や研修を行うなどの対策が必要となります。

    例えば、

    ・職場の全員がそろう機会を作るためにコアタイムを適切に設定する。

    ・前述した「業務のマニュアル化」を推進する。

    ・「職場のルールブック」を活用して研修を行う。

    等。

(そのことを行う理由)

フレックスタイム制は、従業員全員がそろう時間が少なくなるため、社内の情報共有がしにくくなったり、従業員間のコミュニケーションがおろそかになったりする恐れがあるからです。

  • 導入目的や運用ルールの周知、研修を行ってください。

    例えば、職場のルールブックを活用して説明会や研修会を行う等。

(そのことを行う理由)

フレックスタイム制を行う目的や運用ルールを管理職員、従業員に説明し理解を得ることは、労使トラブル、従業員間のトラブル、マタニティハラスメントの発生を防止すると共に運用の徹底を図るために必要なことだからです。

  • 対象とする労働者の範囲は、導入目的や職種上の適性、職場の状況などをふまえて選定を行ってください。

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柳田 健二
資格
  • 1996年 行政書士資格                取得
  • 2009年 社会保険労務                士資格取得

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